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›2002年11月05日(火)

GO NOW!

私の中の「田中聖」にはブランクがある。

何の事はない。
聖の事をずっと見ていたワケではなかった私にとって、再度認識した時の田中聖は、以前知っていた聖と一見、違っていたという話。
(少年の季節は早いから、それも当然の事)。
だけどその後またしばらく見ていて出た結論は、
「大切なモノは、目に見えないんだよ」っていう、大好きな物語の言葉そのもの。

つまり、鉄パイプが似合ってしまっても、どれだけワガママぶってイキがっていても、
聖って凄く優しくてカワイイままなんじゃん、ということ。

割と最近になってから「愛ラブBIG」という番組の沖縄ロケに行った企画を見せて貰うチャンスがあったのだけれど、その中で、ゲームをして順位の悪かった2人が罰ゲームとして、みんなが海でジェットスキーをしている間に、昼食のバーベキューの準備をしなくてはならない、というルールがあった。
その罰ゲームに、聖も当たってしまったのだけど、その時同じく罰ゲームになったもうひとりは、泣き出してしまったのだ。

その光景を、聖はちょっと困った表情のまま、立ち尽くして見ていた。
その泣き続けるもうひとりには、山下が戻ってきて「俺が代わってやるから」と言って宥めたりしていた。それをも、聖は見ているだけだった。
(最終的には、引率の田代さんが「もう、お前ら遊んで来ていいよ」と準備を請け負ってくれて、全員で遊ぶ事ができた)。

もちろん、聖だって遊びたいと思っていなかったはずはないと思うのだけど、ふたりが駄々をこねてしまったら、成り立たない事が彼にはわかっていたのだと思う。
兄弟が多くて年の離れた弟が3人いるというバックグラウンドがあることが、この時の聖の後ろに透けて見える気がした。

そう、聖は「GO MY WAY」でありながら、実は周りを良く見ている。
KAT-TUNコンサートのMCで、そこまでMCを回していた亀梨が松竹座での公演の告知をしていて、ふっと続ける言葉を見失ってしまった時に「つまり26日と28日に追加が入ったって事だよな!」とタイミングよく言葉を繋いだのは、聖だった。
彼は、ただ暴走するだけではない。全体における自分の立ち位置と振る舞いに、絶妙なバランス感覚を持っているんだと、その時に思った。

聖はそのバランス感覚でもって自分のチカラで出てきた子だとも思う。
確かに最初から割とセンターのポジションを立ち位置として与えられていた。BBAだったり、BIGだったりで、マイク持ったのも早かった。ちびっこの最前線的な立ち位置で踊ったりもしていたし、衣装も特別扱いだったりした。
更に、個人で注目される仕事も多かった分、恵まれている立場だったとも言える。
しかし、ここで私が言う「出てきた」とは、そう言う意味ではなくて、集団の中で「自分のキャラ」を確立してで抜きん出ようとした、数少ないJr.だという意味だ。

裸の少年に出ているくらいの人数いれば、目立つ子もいればそうでない子もいる。
待っているだけではあの大人数いるJr.の中だったり、ましてや「オレオレ!」の集団であるKAT-TUNの中にいたら、埋もれてしまう。
その時に、すっと立ち位置を取れるかどうか、だと思うのだ。
何でもかんでもお膳立てしてもらえるワケじゃない。してもらえるヒトも稀にいるけどね…(小声)
たとえ、お膳立てしてもらえたとしても、そこから先は、本人次第だと思う。
聖は「裸の少年」初期、決して、自分から出てくるタイプではなかった。
あの番組でのポジションを取ったのは「自分もコーナーが欲しい」と自ら主張した時だ。
聖は自分でコーナーをもぎ取り、番組でのキャラクターとポジションを確保したのだ。

主張の仕方も知っている。多分引き方も知っている。
それは大人数で育ったという強み、なのかもしれない。

ちょっとぐらい「GO MY WAY」でいい。そこがいい。だからいい。

2002年11月5日、田中聖くん、17歳オメデトウ。