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›1999年12月21日(火)

曲にまつわるエトセトラ

先輩の曲を歌う。
これは、デビュー前、避けては通れない道だと思います。
夏の関ジュコンで、すばるが「Shelter(坂本昌行)」を歌ったことで、私はこの問題(という程すごいものではないが)にぶち当たりました。そして、ずっと考えていました。
いっぱい色んな意見を聞いたし、それでちょっと傷ついたし、嬉しかったりもしたし。
そんな色々なことを、ちょっとまとめてみようかなと思います。なので、いつも以上に個人的見解が含まれます。これは、何が正しいとかないものだと思います。その人それぞれの意見があるものだと思います。そのことを念頭に置いた上で、読み進んでいただけるとありがたいです。

今までは、カバーする方のファンより、カバーされる方のファンであることばかりでした。SMAPのファンだったので(って、過去形かよ)。なので、どっちかって言うと、今まで不用意に、カバーした後輩のファンを傷つける言動をいっぱいしてきたのではないだろうかと思います。
SMAPだって、先輩の曲をカバーしていたけれど(「インディアンの丘で(男闘呼組)」など)身近に男闘呼組のファンがいなかったからか本家ファン側のリアルな肉声ってのは聞こえてこなかったし、男闘呼組はもう、解散(?)していたで、本家が歌う姿をリアルタイムで見る事がなかったこともあって、余り考えませんでした。というか、もしかしたらカバーする方のファンは、そんなに深く考えないものなのかもしれないですね。

Jr.コンに行くようになって、当然ですが先輩の曲を歌っている後輩たちという姿をあたり前のようにしょっちゅう見るようになりました。勿論、コン行かなくてもテレビで見たりはしていましたけれども。コン行き出す前、まだ、Jr.は好きだけどセーブしていた立場では(特にSMAPには思い入れがあったからだけど)「げー○○○(※SMAPの曲名)やるわけー」とか言っちゃってました。

今回渋谷すばるが「Shelter」を歌うのを聴いてから、元曲の入ったトニのアルバムを買いました。
聴いて。もう、リピートしまくった。ううう、本家カッコイイです。
でも、私が坂本=本家「Shelter」の方が好きというのではなく、すばるの「Shelter」の方がやっぱり好きです。ただ、坂本=本家「Shelter」を聴いてよかったと思うし、今度トニコンで坂本さんの「Shelter」を聴くのはむっちゃくちゃ楽しみでもあります。

今までは、自分も感情的に通って来た事なので、余計に思うんですが。
先輩側のファンは、絶対後輩の誰かが、自分が好きな人の曲をコンサートなどで歌うことに対して、複雑に思うのは仕方ないと思います。
先輩の曲ではなくて、他の人の曲でも、そうかも。「愛してる愛してない(米倉利紀)」とか、きっと米倉さんのファンは複雑だろうし、堂本剛くんのファンも、すばるが歌った時はもっと複雑な想いだったのかもっと想像できます。「もっと複雑」というのは、剛も実はカバーした立場なんだけど、それを次の誰かにカバーされることによって、何だか怒れる立場ではないんだけど、なんとなく腹立たしいっていう(苦笑)そういうことです。

複雑とは思います、が。
その、後輩の精一杯と、がんばりも見て欲しいかなー、と後輩側のファンになって思いました。
「別物」として見て、それで「まだまだ全然ダメねー」と思っても、時に腹立たしくても(苦笑)そっと見守るという姿勢でいられたらいいなと、今は思っています。

「私の好きな○○さんの曲を歌って、全然ダメじゃん!」って思っちゃうのは簡単だし、口に出す事も簡単。
だけど、その事によって、その後輩側のファンが、すごく痛い思いをする事だってある。ハッキリ言って、自分が好きな人のファン以外から、自分の好きな人をこき下ろされるのはかなり辛い。特に、カバーした本家さんから言われると、いたたまれない気持ちになります。
だから、もし「全然ダメじゃん!」なんて思わず比較して思っちゃったとしても、その後輩のファンの前では、ちょっと柔らかい表現をする…ってちょっと変な言い方だな。例えば「○○さん(本家)のもすごくいいんだよ?」程度におさめる。これだけでも、ずいぶん違うと思います。いや、その、先輩のファン同士だけでだったら、何を言ったっていいと思いますけどね(苦笑)。
言葉というのは、ある意味凶器だからさ。

それにきっと後輩が先輩の曲をカバーする時、その曲をカッコイイ!とか、すごい!と思ったからこそ自分もやりたい!と思ったのだろうし、そんな「後輩からやってみたい!と切望される曲」の本家である事を、誇っていいと思う。

最初は、足元にも及ばないまでもな感じでのただの真似だったりするかもだけど、そのうちに「その人らしさ」を入れて歌い出すと思うから。すばるの「Shelter」も、いつの日にか「すばるにしか歌えない歌い方」の「Shelter」というのを聴ける事があるはずだと思います。完全に別モノの。その時が楽しみです。

実は時に、後輩のやったバージョンのアレンジが好みストライクだったりして、嫉妬に近い感情になったりもするのですが(笑)素直に「カッコイー!!」と叫んだ事、あるんだよね(しかも最近)。

ただ、そのカバーした側、つまり後輩側のファンも、できれば先輩「本家」のを聴いてみたりして欲しいかな、と、先輩側ファンの立場としてだったら思います。最近だったら「HA(木村拓哉)」 *1 とか「オイラの人生のっぺらぼ〜〜〜!(中居正広)」 *2 とか「俺様クレイジーマン(香取慎吾)」 *3 とか。いずれも、SMAPの木村、中居、香取だからこその曲だと思っていた曲だった、最初に思わず色々言っちゃったりもした事、あります(反省)。でも、この曲を歌う滝沢、横山、そしてすばる。それぞれの個性を、この個性の塊のような曲(3曲とも、それぞれ木村、中居、香取が作詞してます)に入れ込んだなぁ、と今は感服してます。なので、まだこの「本家」を聴いていない!という方は、チャンスを作って(そうだ、チャンスは作るモノだ!)聴いていただきたいなーと思います。別にこの3曲に限ったことではなく、ね。

今後もJr.や、デビューしたての嵐が、コンサートの際、きっと先輩の曲をカバーする機会って、きっとあると思います。っていうか、ないはずがないよね。
その時、頭ごなしに「げーっ」って思わずに、比較するのではなく、ちゃんと「見る」ことができるように努めたいなー、と思っています。

【後日追記】
関ジュのクリスマスコンに行って。すばる「Shelter」を生で聴いてきました。
ファンな事を差し引いても(って、無理な話だな、差し引くなんて)あの自分を追いこんだかのような絶唱が痛くて仕方ないんだけど、余裕なくギリギリな所とか、かなり凄い。(ドームコンでの「Shelter」はさておき…。←置くな?)やっぱり私は、この曲を歌うすばるも、すばるの歌った今回の歌い方も、全部好きです。すばるのファンだから当たり前でしょ!と思われるかもですが。ファンだけどこういう時に甘々な評価は普段からしてないつもり(あくまでつもり)。今後、すばるがこの曲をもし、もっともっと歌いつづけていくなら、どれだけこの「Shelter渋谷すばるバージョン」を完成させるかが楽しみです。でも、ずっと未完成でいて欲しい気持ちもあるんだけどね。だって未完成が一番の武器かもしれないから。完璧なんて、つまらないんだもん。