温室栽愛/狗飼恭子
このカテゴリ、そんなに頻繁に更新する(できる)予定ではないのですが、待機文庫 *1 が多いのと、ちょっと活字気分が継続しているのだと思う。さらっと読めました。
恋愛小説を読みたい気分の時は、狗飼恭子さんの作品を選ぶことが多いです。
新刊を見かけると「読もうかな」と思う作家さんかな。文庫待ちしますけどね。
桜子の語った恋愛論が、ずばり自分と同じで、このセリフからいきなり桜子に感情移入できてしまった…。
「わたしは相手を好きになるときにいつも、ぜんぶを好きになってしまう。話し方も考え方も見た目も着る服も取り巻く世界もそれまでの過去もこれからの未来もぜんぶぜんぶ。だから嫌いになりようがない。ならないわ」
桜子は、一杯目のビールを飲み干した。首筋がほんのりと赤く染まる。
「だからずっと好き。一度好きになった人は永遠にずっと好き。すべてを受け入れるって方法じゃなきゃ、わたしは人を好きになれないんだ」
「取り巻く世界もそれまでの過去もこれからの未来もぜんぶぜんぶ。」だからユニ担になってしまうんですよ。って、え?そういう話なの?(笑)。
ま、桜子のような寄せ付けるオーラ(フェロモン)はないんですけどね、とほほ。
あと、このフレーズは痛かったなってのがあってさ。
来てね、待ってるから。たとえばこの一言のような気がする。
この一言を言えるか言えないか。
ただそれだけのことで、「可愛い女」と「そうじゃない女」に、分別されてしまうような気が、する。
そしてもちろん、わたしには言えない言葉の一つ。
…私にも言えない。
恋愛と並べるのもどうかと思うけど(笑)、10月に私はこの言葉を言えなかったんだよな。結果として待ったとしても「待ってるから」とは言えなかった、可愛くない女です(笑)。
次は、恋愛小説じゃないものを読みます。雑読なので。多分。
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*1 : 読もうと思って買い溜めてある文庫本。