この月組公演で宝塚5組全てを回ったことになる「エリザベート」。
ナマで観るのは最初に上演した雪組@東京公演(実はタカコルドルフで観てたりする…)以来です。
ということで、約10年振りのナマ「エリザベート」でした。映像で星組と宙組は見てるんですが、花組は映像もナマも観ていません。
今回観た月組公演は、予想していたより遥かに良かったです。素敵でした。なんだかんだ言って「エリザベート」っていう作品は凄いんだ、と思った(そこか)。
Continue Readingは、そういうヒトが書くメインキャスト+α の感想ですが、ヒイキの引き倒し上等!とタンカを切るほど、長文と短文の差が激しいです。
トート(死/黄泉の帝王):彩輝直
…悪いけど褒め倒すよ?(笑)
ビジュアルが文句なく美!見た目だけだったら歴代で一番好き!
長身に超ロングのウェーブ銀髪が似合うことったらないよ。メッシュ(というかむしろツートーン)で黒が一部入っているのもイイ感じ。ただ、サイドを無造作に結ってる時は、黒髪が勝ちすぎててちょっと残念な感じになってる時もあったのは確かだけどさ。Dr.ゼブルガーからトートになるところで、あの長い髪が広がった時のビジュアル最高(生身の人間っぽくなかった。絵みたいだった)。
それと見せ方としては、大きな手にゾクっとさせられる事が何度かありました。星組時代の新人公演でトートを演じてる経験がある人なので、もしかしたらその時の本役さんに学んだのかな?と思うようなところもあった印象でした。新人公演時に付けていたような手の甲のジュエリーはなかったんだけどね。←ちょっと期待していたので残念だった。
歌も、思ってた以上のデキで(そりゃ、雪組トートや宙組トートには敵いませんが)、1幕・鏡の間の「最後のダンス」はフェイクまではいかないまでも、シャウトパートを入れたので驚きました。星組版みたいにそこは入れないと踏んでいたので…。ここのシャウトは声量も出てて、ビビビっと来た。ちょっと泣きそうになってしまって口惜しかったほどですから(笑)。
あと、特筆すべきは2幕のDr.ゼブルガーに成りすまして寝室に入り込み、シシィと対峙する場面。盆が廻ってソファーの角度が変わって、真上からシシィを見下しているビジュアルの迫力に痺れました。舞台写真出てたから買おうかと本気で悩んだ程(買わない!と決めて観に行ったので)。今まであの場面でそこまでぐっと来たこと、なかったんだけどなー。
やっぱり星組トートの系譜なのかな、と思った場面は
・シシィが最後通告をフランツに出した後についたての影から登場する際は手から。
・ルドルフの棺桶は、上に立つ。最後はナナメに座ってシシィを包みこむ。
以上2つ。それと超ロングの御髪も系譜ですよね。
フィナーレも全部トート扮装。ファンだと(ショーがない公演だし)、劇中の役を離れた男役姿を見たかったりもするかも。個人的にはフィナーレも含めて作品だと思っているので全部トートで通した方が好きですけどね。
それと今回、次期トップさんがシシィ(=女役)をしている関係からか「トップのバトンタッチ的な演出」がなかったのは残念だな。デュエットダンスで踊ってるんだけどさ。だから結局のところ、シシィに次期トップがキャスティングされるって問題だったのではないかと思うんですよ。ここで言っても仕方ないことなんですけどね。やっぱり劇団の考えはよくわからないわ…。
最後のパレードの羽根は、蝶シルエットに見える黒い羽根の外側を縁取るように白い羽根を大きく丸くふんだんに使って、更に白のお垂らしの羽根が何本もついてるもの。あんなに豪華なの久々に観たよ…長身っていいなぁ(ぼそっ)。
結論としては、やっぱり退団する時のトップさんって素敵さが増すもんなんだなーと。きれいでした、ホントに。
シシィ(エリザベート):瀬奈じゅん
かなりの覚悟をしていたのですが(特に少女時代)、少女時代の方がハマっていた気が…。少女時代がキツいんじゃないかと思ってたんで、これは意外な誤算。最初「あれ?少女時代は別の人がやってるんだっけ?」と思ったりもしましたし(実話)。
シシィ役をするには音域が苦しいのは、男役なのだから仕方ないのかな…。ただしそんな事は事情(瀬奈が男役だということ)を知っているファンは考慮して観てくれるだろうけれども、連れて来られちゃったような別に宝塚ファンというワケではない人や、「エリザベート」だから来ているような人には「何でこの聴かせどころが出ないんだよ!」とがっくりされてしまう可能性もあると思うんだよね。なんせ私が観た回は、結婚式翌日の朝に歌う「私だけに」の高音部分が出てなかったですし(致命的じゃん)。それを考えたら、やっぱりシシィは話題づくりではなく音域のあった人をキャスティングして欲しかったなぁ。何のために「男役を女性が演じている劇団」なのかわからなくなるようなキャスティングだった気がします。もったいないよ。
フランツ・ヨーゼフ:初風緑
若い時よりも、年を取ってからの方がハマっていたような印象なのだけれど、歌のみに関して言えば若い時の方があっていると思う(声、高めだよね)。全体を通して邪魔にならなかった、という感じがあって、強い印象はないなぁ…。役柄を考えたら出張ってないのは巧いって事なんだろうけどさ。
ルイジ・ルキーニ:霧矢大夢
もっと濃くなるかと思ってたんですが、妙なクセもつけず、出るところは出て、まぎれるところはまぎれている足し算引き算が上手でした。キリヤンに任せておいたら間違いない!という感覚が今後更に強くなりそう。できればスター路線ではなくて職人的な別格ポジを務めて欲しいなと思うのですが、それって私がユウヒ好きだからそう思っちゃうのかしら(苦笑)。現状として目指せトップなの?どうなの?
ルドルフ:大空祐飛
1幕はプロローグのみ、出番は2幕に15分間という役。でも、キャストが出た時にルドルフがユウヒだったのが観に行く大きな原動力でした。好きなんです、ルドルフ。
一番の見せ場である「闇が広がる」は長身同士だから見栄えがホントに良かった。後ろから抱きしめるトートの方が大きくてパランスも良かったし。もう「そうそう、これを観に来たのよーー!」とガッツポーズでしたからね、ふふふ。
やっぱ、好きな場面を好きな二人(思っている以上にサエコも好きだとやっと自覚した)で観られたのは至福です。歴代ここまで「やった!」と思った組み合わせはなかったので、ね(ぼそっ)。
戴冠式の表情も良かった。結末を知っているから、その表情に鼻の奥がツーンとしちゃってさ…ここで泣いたのは初めてだなぁ。いつもその後にある「闇が広がる」にワクワクしてたから泣いたりしなかったのよね。この場面のルドルフってマザコンの極みなんだけど(それを言うな)無邪気な表情が非常に切なかったよ。あの笑顔は罪だわ…。
とまぁ、全体的なデキとしては凄く良かったと思うんですが…胴布団入れすぎが気になって気になって(泣)。
せっかくの軍服なのにシルエットがーーー!更に黒天使たちに翻弄される場面(戴冠式の幻想の後)では、軍服のジャケットを脱がされてブラウス姿になるから、余計に背中のシルエットが胴布団で崩れてて…。元々が細身だから体型補正が必要なのは仕方ないのかもしれないけれど、背中フェチとしては、いただけませんでした。しょぼーん。
えーと、その他マダム・ヴォルフ:嘉月絵理というキャスティングは知らずに観ていたので驚きましたが、この場面はもう1度観たい、というか聴きたいなぁ。本来男役さんであった方の迫力ある低音が素敵だったし、最後にルキーニと高笑いしたときは濃くて濃くて…好き!(笑)。
最後にキャストから離れますが、自分の中の10年という月日を実感したのは「夜のボート」の場面でした。雪組公演で観た当時はここで泣けなかったんだけど、今回は気がついたらだーって泣いてしまって涙が止まらなかったの。雪組公演の時はまだまだ感性がコドモだったんだろうなと改めて思いました。成長したなぁ(ていうか「年取ったなぁ」って言うべき?)。
書き漏らしも沢山あるんですが(特に、脇役のキャストに関してもふれたい部分は沢山ある)キリがないしとりあえずここまでにします。宝塚サイトじゃないからいいよね?(逃)。
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